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遠くのものを写す

コンパクトデジカメには、被写体に近づかなくても大きく撮影できるようにズーム機能が搭載されています。ズーム機能には、3倍ズーム、5倍ズーム、10倍ズームなど、様々ありますが、数値が大きいほど、遠くのものを大きく写すことができます。

ズームを使わない場合と使った場合の比較

まずは、ズームを使わなかった場合と使った場合の写真を比較してみましょう。

ズーム前とズーム時の比較

上の2枚の写真は、まったく同じ場所から撮影したものです。これを見ると、ズームを使った時の方が画面いっぱいに被写体を写すことができていますね。

ズームを使うと、遠くのものを大きく写すことができるというのは、ごく当たり前のことなので、いちいち解説されなくてもわかっているという方が多いと思います。でも、ズーム機能は、遠くのものを写す時だけでなく、近くで撮れるものでも、あえてズームを使った方が良いことがあります。

例えば、上で撮影した建物をズームを使わないで済む位置まで近寄って撮影すると下の写真のようになってしまいます。

ズームを使わずに撮影

違いが分かりますか?

建物に近づいて撮影した写真は、下から見上げるように写っていますよね。屋根なんかは、下の赤い部分が写ってしまい、上の黒い部分が全く写っていません。

これは、自分の背よりも高いものを撮影するとき、被写体に近づけば近づくほど、上に向けてカメラを構えなければならないから起こってしまう現象です。

さらに近づいて撮影すると、空に向かってカメラを構えることになります。自分より背の高い被写体に近づけば、それだけ角度が上がってしまうわけですね。逆に自分よりも背の低い被写体に近づいて撮影すれば、見下ろすような写真になります。

なので、自分の背よりも高い被写体や低い被写体を撮影する際は、遠くからズームを使って撮影した方が、角度がつきにくくなり、同じ高さの目線で見たような写真を撮影することができます。

被写体を斜めに撮影してみる

ズームを使わない場合と使った場合で、その違いが顕著に表れるのが、建物を被写体にして斜めに撮影した場合です。

左から撮影

上の写真を見比べていただくとわかると思いますが、ズームを使わずに建物に近づいて撮影した左側の写真では、屋根の右角が反り返ったように写っています。建物に近づけば近づくほど、反り方も極端になり、不格好な写真になってしまいます。

でも、右の写真のように離れた場所からズームを使って被写体を大きく撮影すると、屋根が反り返ったようには写りません。屋根の先もまっすぐに見えるので、こちらの方が肉眼で見た場合に近い写りとなります。

わざわざ建物を斜めに撮影しなくてもいいじゃないかと思う方も多いことでしょう。でも、正面から建物を撮影した場合、被写体が右や左に傾いて写ることがありますが、斜めに撮影すると、少しくらい傾いていても、あまりわからないという利点があります。また、真正面から撮影した写真よりも、斜めに写した方がかっこよく見えやすいので、正面から撮影できる場合でも、あえて斜めから写しておくと良いですよ。

今度は左斜めから撮影した写真を掲載します。

左斜めから撮影

先ほどの写真よりも大きな建物を撮影したため、被写体に近づいて撮影した左側の写真では、屋根の上の部分が全く写っていません。また、屋根の左角の出っ張りも気になります。

でも、離れた場所からズームを使えば、屋根の上の部分もしっかりと写りますし、屋根の左角の出っ張りもなくなります。

このように近くで撮影できるものでも、遠くからズームを使って撮影した方が、バランスよく被写体を写すことができます。実際に自分よりも背の高いものを撮影する際は、近づかずにズームを使って撮影してみてください。

動物の撮影にはズームが有効

ズームが大活躍するシーンは、近くに寄って撮影できないものを撮影するときですね。例えば、柵が置かれていて、それ以上、被写体に寄ってはいけないときなんかは、ズームを使って被写体を大きく写します。ただし、被写体に近づけない場合は、写真撮影そのものが禁止されていることもあるので、そういう場合には、撮影しないようにしましょう。

他に被写体に近づけない場合の例としては、動物や鳥の撮影が挙げられます。

動物や鳥を撮影する場合は、人間が近づくと、どうしても警戒されてしまいます。場合によっては、逃げられてしまうこともありますね。

そこで重宝するのがズームです。ズームを使えば、動物に気づかれない遠い位置から撮影できるので、警戒されることもありません。下の写真は、ズームを使って20メートルくらい離れた場所から猫を撮影したものです。

遠くからズームを使って撮影した猫

どうですか?

猫は全くこちらに気づいていませんよね。もしも、ズームを使わないで済む位置まで近寄って撮影していたら、きっと、こちらをじっと見つめて、今にも逃げ出そうとしている写真になっていたと思います。それどころか、あわてて逃げて行ったかもしれませんね。

ズームは、動物を撮影する際にとても重宝する機能です。動物や鳥の撮影をしたくて、コンパクトデジカメの購入を考えているのなら、できるだけ倍率の高いものを選ぶと良いでしょう。

手ブレ補正と併用する

ズームを使って撮影する場合、ちょっと手元が動いただけでも、ブレて写ってしまいます。なので、ズームを使って撮影するときは、必ず手ブレ補正をオンにしてください。

持っていると便利

高倍率ズームのデジカメ

高倍率ズームのデジカメ

コンパクトデジカメ初心者が最もよく使う機能はズームです。できるだけ高倍率のズーム機能が付いているカメラを選んだ方が、撮影の幅が広がります。

ハードディスク

ハードディスク

撮影した写真の保存に便利なのがハードディスク。長年、写真を撮り続けていると膨大な枚数になるので、写真保存用におすすめ。バックアップとしても使えます。

プリンタ

プリンタ

撮影した写真を自宅で印刷。友人に配る写真や年賀状の作成に便利。お店に行って印刷する手間も省けます。